おしえ)” の例文
浅学にて古代騎士の状況に通ぜず、従って叙事妥当を欠き、描景真相を失する所が多かろう、読者のおしえを待つ。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かれくびべ、耳をそばだてておしえてり。答うる者はあらで、婦女おんなうめく声のみ微々ほそぼそと聞えつ。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
日の照らないあなの底で、世から、人から、歴史から、太陽からも、忘れられた二人が、ありがたいおしえを垂れて、たっとい涙を流した舞台があろうとは、胡坐をかいて
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)