角隠つのかくし)” の例文
黒小袖の肩を円く、但し引緊ひきしめるばかり両袖で胸を抱いた、真白まっしろな襟を長く、のめるように俯向うつむいて、今時は珍らしい、朱鷺色ときいろ角隠つのかくし花笄はなこうがいくしばかりでもつむりは重そう。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
墨田堤を水神の森の方へ下りる坂みちのある処へきたときに、その坂を角隠つのかくしをつけた花嫁の連れが四、五人提灯ちょうちんをさげて登ってくるのに行き逢った。花嫁は母親らしい人に附添われて目を伏せていた。
桜林 (新字新仮名) / 小山清(著)