覇王はおう)” の例文
旧字:霸王
その顔がまた、どれもいつになく微笑を浮べているのは、西楚せいそ覇王はおうの首をあげた今日の勝戦かちいくさの喜びが、まだ消えずにいるからであろう。——
英雄の器 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
当時徳富蘇峰の『国民之友』は政治を中心としてあまねく各方面の名士を寄書家に網羅もうらし、鬱然うつぜんとして思想壇に重きをなした雑誌界の覇王はおうであった。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
マイカ大要塞が、博覧会の見世物みせもの同然に落ちてしまうんだ。そうなると、太青洋の覇王はおうどころのさわぎではない。キンギン国は四等国に下ってしまうぞ
二、〇〇〇年戦争 (新字新仮名) / 海野十三(著)
桓帝かんてい、霊帝このかた、四海わかれて争い、群雄みな覇王はおうを僭称す。ひとりわが太祖武帝、民をいつくしみ、六合りくごうをはらい清め、八こうむしろのごとく捲いて、ついに大魏国を建つ。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
侵略主義征服主義の覇王はおう的な御精神は少しもうかがうことが出来ません。
三面一体の生活へ (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)