裾分すそわ)” の例文
「とにかく、あけてみな。あけさせてみな。漬け物だとしたら、支那の漬け物はうまいからな。四郎さんにもお裾分すそわけしよう」
いやな感じ (新字新仮名) / 高見順(著)
以来お蔭をもって至極円満に暮しているから、私も序をもって、校長の言葉をそのまゝ広く天下の新家庭へお裾分すそわけしよう。
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
それから水瓜、甘藍キャベツ球葱たまねぎ、球葱は此辺ではよく出来ませんが、青物市場であまりやすかったからI君が買って来たその裾分すそわけという事でした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
そうでもあろう、そういう野菜ものにうえていた彼等は、あたらきゆうりのお裾分すそわけを失ってしまったのだから。
火薬船 (新字新仮名) / 海野十三(著)