表慶館ひょうけいかん)” の例文
いいえ、まだ一度もないの。それだから何だか可笑しいのよ。じゃあと、——じゃこうして下さらない? 大村は明後日あさって表慶館ひょうけいかんへ画を
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
昨秋表慶館ひょうけいかんにおける伎楽面、舞楽面、能面等の展観を見られた方は、日本の面にいかに多くの傑作があるかを知っていられるであろう。
面とペルソナ (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
私は上野博物館の門内にる時、表慶館ひょうけいかんかたわらに今なお不思議にも余命を保っている老松の形と赤煉瓦の建築とを対照して
広子ひろこは化粧道具や何かを入れた銀細具ぎんざいくのバッグを下げたまま、何年なんねんにもほとんど来たことのない表慶館ひょうけいかん廊下ろうかを歩いて行った。彼女の心は彼女自身の予期していたよりも静かだった。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)