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蝋塗
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ろうぬり
ふりがな文庫
“
蝋塗
(
ろうぬり
)” の例文
黙って
母家
(
おもや
)
の方を伏し拝むと、心静かに取上げたのは言うまでもなく短刀。
蝋塗
(
ろうぬり
)
の
鞘
(
さや
)
を払って、懐紙をキリキリと巻くと、紋服の肌を
寛
(
ひろ
)
げて、左脇腹へ——。
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
涼やかな
軟風
(
なんぷう
)
にさざなみを立てている
不忍池畔
(
しのばずちはん
)
の池添い道を、鉄色無地の
羽二重
(
はぶたえ
)
の着流し姿に、
橘
(
たちばな
)
の加賀紋をつけた黒い短か羽織茶色の帯に、
蝋塗
(
ろうぬり
)
細身の大小の落し差し
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
禿
(
かむろ
)
を呼んで、その客の脇差を取寄せると、間違いも無い
拵
(
こしら
)
え、
目貫
(
めぬき
)
の竹に虎、
柄頭
(
つかがしら
)
の同じ模様、
蝋塗
(
ろうぬり
)
の鞘、糸の色に至るまで、朝夕自分が持たせて出した夫の腰の物である。
傾城買虎之巻
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
先刻
(
せんこく
)
より御覧に入れた、此なる
剣
(
つるぎ
)
、と哥太寛の云つたのが、——
卓子
(
テエブル
)
の上に置いた、
蝋塗
(
ろうぬり
)
、
鮫鞘巻
(
さめざやまき
)
、
縁頭
(
ふちがしら
)
、
目貫
(
めぬき
)
も
揃
(
そろ
)
つて、金銀造りの
脇差
(
わきざし
)
なんです——此の日本の
剣
(
つるぎ
)
と
一所
(
いっしょ
)
に
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
平次は死骸の傍に
抛
(
ほう
)
り出してある
蝋塗
(
ろうぬり
)
の
鞘
(
さや
)
を取って、一応調べました。
銭形平次捕物控:134 仏師の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
曲者の遺留品というのは、
蝋塗
(
ろうぬり
)
の脇差の
鞘
(
さや
)
が一本だけ。
銭形平次捕物控:023 血潮と糠
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
蝋塗
(
ろうぬり
)
の肌が水氣を含んで、妙に意味あり氣です。
銭形平次捕物控:255 月待ち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
蝋
漢検準1級
部首:⾍
14画
塗
常用漢字
中学
部首:⼟
13画
“蝋塗”で始まる語句
蝋塗鞘