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蛟
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みずち
ふりがな文庫
“
蛟
(
みずち
)” の例文
蛇は水の中で棲息しないが、
虬
(
みずち
)
、
蛟
(
みずち
)
は水中に棲む。土の底に虬がいるといったりする。また日本人はよく間違えて、大蛇も水の底にいるようにいう。
故郷七十年
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
古沼に
蛟
(
みずち
)
が泳いでいるよ。ご覧よ、
豹
(
ひょう
)
を追っかけて
裸体
(
はだか
)
の人間が走って行くから。おおとうとう追い付いた。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
このとき長さ三丈とも見える大きい
蛟
(
みずち
)
があらわれて、身をめぐらして此の家を護った。
中国怪奇小説集:04 捜神後記(六朝)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その日になると、関羽は、緑の
戦袍
(
せんぽう
)
を着、
盛冠花鬚
(
せいかんかびん
)
、一きわ装って小舟にのった。供の周倉は、面は
蛟
(
みずち
)
のごとく青く、唇は牙をあらわし、腕は千斤も吊るべしと思われる鉄色の肌をしている。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それでも自分の生んだ物であるので、娘は憐れみいつくしんで、かれらを
行水
(
ぎょうずい
)
の
盥
(
たらい
)
のなかに養って置くと、三月ほどの後にだんだん大きくなって、それが
蛟
(
みずち
)
の子であることが判った。
中国怪奇小説集:04 捜神後記(六朝)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
馬絆といい、馬黄精といい、いずれも
蛟
(
みずち
)
の種類であるらしい。(遂昌雑録)
中国怪奇小説集:12 続夷堅志・其他(金・元)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
穴は深く暗く、その奥に
蛟
(
みずち
)
か
蟒蛇
(
うわばみ
)
のようなものがわだかまっていて、寄り付かれないほどになまぐさかった。やがて蟒蛇は
鉦
(
かね
)
のような両眼をひらくと、その光りはさながら人をとろかすように輝いた。
中国怪奇小説集:12 続夷堅志・其他(金・元)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“蛟”の解説
蛟(みずち;古訓は「みつち」)は、日本の神話・伝説で水と関係があるとみなされる竜類か伝説上の蛇類または水神。
岡山県の高梁川にひそんでいたという有毒の大虬(みずち)がという男に退治された記録が仁徳天皇紀にあり(右図)、万葉歌の一種などの乏しい古例がある。
(出典:Wikipedia)
蛟
漢検1級
部首:⾍
12画
“蛟”を含む語句
蛟龍
蛟竜
蛟蜃
出洞蛟
潜蛟
碧波深處伴蛟龍
蛟蝄
蛟鰐
蛟𧍑
野蛟
野蛟神社