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虫螻
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むしけら
ふりがな文庫
“
虫螻
(
むしけら
)” の例文
何にも無い、畳の
摺剥
(
すりむ
)
けたのがじめじめと、蒸れ湿ったその
斑
(
まだら
)
が、陰と明るみに、黄色に鼠に、雑多の
虫螻
(
むしけら
)
の
湧
(
わ
)
いて出た形に見える。
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ここにおいてか階級意識の盛んな時代に、武士から
虫螻
(
むしけら
)
の如く扱われた百姓、町人らは、それをよいことにして彼らの上に威張り散らします。
融和問題に関する歴史的考察
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
およそ屋根と壁の形さえあれば——そして住む
主
(
ぬし
)
さえいなければ——巣を作って、
虫螻
(
むしけら
)
のごとく、
獣
(
けだもの
)
のごとく、生きていた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
虫螻
(
むしけら
)
と等しき下賤の者の
生命
(
いのち
)
を以て、高貴の御命を延ばし参ゐらせむ事、決して不忠の道に非ず。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
無数の
虫螻
(
むしけら
)
が、或は暖く蟄し、或はそろそろと彼等の殻を脱ぎかけ、落積った枯葉の厚い層の奥には、青白いまぼろしのような彼等の子孫が、音もない
揺籃
(
ようらん
)
の夢にまどろんでいるだろう。
地は饒なり
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
▼ もっと見る
虫螻
(
むしけら
)
と思うているのじゃ。……呉々も、案じぬがよい。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
呼ぶと、油障子をあけて、
虫螻
(
むしけら
)
のようにぞろぞろと
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『では、
虫螻
(
むしけら
)
と云った
理
(
わけ
)
を聞かしてやろう』
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
虫
常用漢字
小1
部首:⾍
6画
螻
漢検1級
部首:⾍
17画
“虫螻”で始まる語句
虫螻蛄