みくず)” の例文
「山科郷にわびしゅう暮らすみくずというしずでござります。殿にお目見得めみえを願いとうて参じました」
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
叔父の職を見習って、烏帽子折りになるはずの彼は、みくずに振り放されたのが動機となって、日本に隠れのない陰陽博士の弟子となった。そうして、師匠にも可愛がられた。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
察するところ、かの古塚のぬしがみくずという乙女おとめの体内に宿って、世に禍いをなすのであろう。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)