藤袴ふぢばかま)” の例文
「我圃秋芳誇許多。更無一種渉驕奢。最堪愛処知何是。高格清香楚畹花。」後者の詠ずる所は例の蘭草らんさう藤袴ふぢばかまである。園楓ゑんふう和多田玄順わただげんじゆんおくる所のたねだと云つてある。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「はぎの花をばな葛花くずばな瞿麦なでしこの花、をみなへし又藤袴ふぢばかま朝貌あさがほの花」である。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
おなじ野の露にやつるる藤袴ふぢばかま哀れはかけよかごとばかりも
源氏物語:30 藤袴 (新字新仮名) / 紫式部(著)
藤袴ふぢばかま
未刊童謡 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
「秋園詠所見」の詩の中に藤袴ふぢばかまの一絶がある。「蘭草。世上栽蘭各自誇。蜂英菖葉映窓紗。要知楚畹真香物。請看簇生浅紫花。」蘭軒は後文政四年に長子榛軒しんけんと倶に再び蘭草を詠じた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)