藤六とうろく)” の例文
これは一座の太夫元たゆうもと、木戸に居る大年増の亭主で藤六とうろくという男、無人の一座で、女房は木戸番を、亭主は下座を勤めているのだと、後で判りました。
魚屋の藤六とうろくさんは、びんばふでした。毎日、朝はやく、問屋とひやへ行つて、お魚を一円だけ買ひ出します。そして、それを売つて、五十銭づつ、まうけるのです。
源八栗 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
主人は藤六とうろくといった六十がらみの独身者の老爺おやじで、相当無頼なぐれたらしい。いれずみを背負っていた。色白のデップリと肥った禿頭はげあたまで、この辺の人間の扱い方を知っていたのであろう。
骸骨の黒穂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
品川の漁師町の藤六とうろくが、——親孝行で御褒美まで頂いた評判の男ですがネ、その藤六が、品川沖で網を
魚屋の藤六とうろくさんの村に、大きな百くわ店ができました。
源八栗 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)