薄玻璃うすはり)” の例文
時 早春のある日、外にはまだ冷たい風が吹き、薄玻璃うすはりのような空に白雲が流れている。
點燈後程經た頃であるからして、船も人も周圍の自然も極めてしめやかである。その間に通ふ靜かな物音を聞いてゐると、かの少年時の薄玻璃うすはりの如くあえかなる情操の再び歸り來るのではないかと疑ふ。
海郷風物記 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
しらしらと薄玻璃うすはりを立つる。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
薄玻璃うすはりに。
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)