芽出度めでと)” の例文
亥「冗談じゃアねえ知らしてくれゝばくせ鰹節かつぶしの一本かすっぺい酒の一杯いっぺいでも持って、旦那お芽出度めでとうござえやすと云って来たものを」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「オイ、紫錦さん、お芽出度めでとう」源太夫は皮肉に冷かした。「エヘ、お前みいられたぜ」
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
考えてみるとサッキ満点を宣告した時には、ただ御苦労と云っただけで、お芽出度めでとうとはかさなかった。チョックラ油断させておいて、不意打ちにタタキ落そうという寸法なんだ。
焦点を合せる (新字新仮名) / 夢野久作(著)
と云うのはその法衣の男は、私たちが現われた時ちょうど、祈祷書をポケットに入れて、その縁喜えんぎでもない花婿の背中を、お芽出度めでとうとでも云ったように、ぽんとたたいたところであった。
はアまことに何うもお芽出度めでとうございます、なにわっちは側に立っていて見兼たもんですから、ぽかり一つきめると、驚いて逃げる所を又打殴ぶんなぐったんだか
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
三「旦那さんの前で急に機嫌が直ったりしちゃア私まで一寸面顔赤かおあかになるが、まアお芽出度めでとうごす、美代ちゃんがお喜びは何のくらいでげしょうか、実は何うも思う男とは添わせたいので」
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)