花筐はながたみ)” の例文
花筐はながたみ (シテ)前田利鬯 (シテツレ)山崎友樹、安永要助 (ワキ)西島一平 (大鼓)吉村稱 (小鼓)河原田平助 (笛)中上正栄
梅津只円翁伝 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
が、古い処と言えば、第九回の文展に出した「花がたみ」は謡曲花筐はながたみに取材したもので、時代は継体天皇の御宇ぎょうと記憶しますから、随分古い方ではある。
演奏されたものは、『自然居士』と『花筐はながたみ』とで、甲は虚子氏がシテ、碧梧桐氏がワキであった。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
僕の桟敷さじきへ通つたのは「花筐はながたみ」か何かの済んだ後、「隅田川」の始まらない前のことである。僕は如何なる芝居を見ても、土間桟敷に満ちた看客よりも面白い芝居に出会つたことはない。
金春会の「隅田川」 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
謡曲「花筐はながたみ」は、世阿弥の作であると伝えられているが、たしかなことは判っていないのであるとか——
花筐と岩倉村 (新字新仮名) / 上村松園(著)
「まあだ『松風』はいかん。『花筐はながたみ』にしておきなさい」(宇佐元緒氏談)
梅津只円翁伝 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)