艶罪えんざい)” の例文
「ハハハハハ艶罪えんざいと云うわけだ」主人だけはおおいにむきになって「そんな馬鹿があるものか、あいつの娘ならろくな者でないにきまってらあ。初めて人のうちへ来ておれを ...
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
試みに見るべし、有名なる英国の政治家チャールス・ヂルク氏は、誠に疑わしき艶罪えんざい(ある人の説く所にれば全く無根のえんなりともいう)を以て政治社会をしりぞけられたり。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
そのあられもなき艶罪えんざいをおそれていたのは、以前紀州の竜神でも、そんなことから、痛くもない腹をさぐられた経験があるので、いささか取越し苦労が過ぎたもののように感じながら
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)