“えんざい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
冤罪78.7%
寃罪18.0%
艶罪3.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
木村が文芸欄を読んで不公平を感ずるのが、自利的であって、そしられれば腹を立て、褒められれば喜ぶのだと云ったら、それは冤罪えんざいだろう。
あそび (新字新仮名) / 森鴎外(著)
杜興はすでに縛られている。それを見て、李応も観念した。覚えのない冤罪えんざいだ。おおやけの法廷で堂々申し開くにくはない、と。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つまり自分の妻を奪われた上に、その妻の父親が自分の家臣である故を以て、連累者と目されたのであるから、此のくらい馬鹿々々しい冤罪えんざいはない。
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
しかも天子様はイクラお側の者がいましめてもぬかに釘どころか、ウッカリ御機嫌に触れたために、冤罪えんざいで殺される忠臣が続々という有様だ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
わたくしの致した事を、もし不断の尺度で、日常生活の尺度で量って下さいましたら、それはわたくしのためにひどい冤罪えんざいになるのでございますから。
その口前くちまえで女子をたらし、面白い目にも逢ったであろうな」「これはとんだ寃罪えんざいで、その方は不得手でございますよ。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「待てよ、いいものがあるぜ。星田君。あれさホラ、例の指紋さ。まさかいくらなんでも、君の指紋まで盗み出すことは出来ないじゃないか。あの指紋一つで、君の寃罪えんざいははれる訳だ」
——政冶の紊れを幕府老中の手で打開してもらおうということ、また自分の寃罪えんざいをはらしたいということで、国老のあいだを奔走し、国目付へ訴えるとも申しているようでございます。
もつとも抜萃のしやうがわるいため、たまたま不手際なやつが揃ふて居るのかも知れぬが、とにかくこれらを標準として翁の伎倆を評する人があるならば大なる寃罪えんざいを翁に加へるものである。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
「大学は三年まえから、しきりに自分の寃罪えんざいを主張し、二度も国目付へ訴状を出した、これまでは国目付も受付けなかったが、今年の国目付はそれを受取って、老中へ届けることになったのだ」
試みに見るべし、有名なる英国の政治家チャールス・ヂルク氏は、誠に疑わしき艶罪えんざい(ある人の説く所にれば全く無根のえんなりともいう)を以て政治社会をしりぞけられたり。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
兵馬は、そのあられもなき艶罪えんざいをおそれていたのは、以前紀州の竜神でも、そんなことから、痛くもない腹をさぐられた経験があるので、いささか取越し苦労が過ぎたもののように感じながら、食事を済ましてしまいました。
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)