艶布巾つやぶきん)” の例文
口切くちきりあきないでございます、本磨ほんみがきにして、成程これならばという処を見せましょう、これから艶布巾つやぶきんをかけて、仕上げますから。」
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それは茶の間と次の間に据えてある桐箪笥やら用箪笥に艶布巾つやぶきんをかけることだった。現代の家庭ではそんな丹念な暇つぶしをしている家は見かけないが、その頃の主婦はよくやったものらしい。
大切なキャビネットが反ったり、ひびが入ったりするからだ。またキャビネットは出来るだけ美しい光沢を保つべきだから、めいめいの好み好みで油で磨くのもよかろうし、艶布巾つやぶきんの常用もよかろう。