舞殿ぶでん)” の例文
舞殿ぶでん東側ひがしわきの一段高い席に、頼朝と政子まさこ居並いならんで彼女を見た。夫妻は、物珍しいものでも見るように、静のしとやかな礼儀を見まもっていた。
日本名婦伝:静御前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なんの、忙しい数日はもう過ぎて、明日あすよりは、建水分たけみくまり舞殿ぶでんにて、山田小美濃の申楽一座が、雨乞い神事の一つとして催される。あらまし、準備はできたのだ」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
土俗的な俚謡さとうたや、土地ところの土民舞なども、演じられて、早くも、酔狂な将兵たちが、各〻扮装をこらして舞殿ぶでんにあがり、将門を始め、帷幕の諸将の喝采をあびていた。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まろうど神社も、朝座屋あさざのやも、一路廻廊に添って、独立した屋根屋根をもち、西廻廊の建物と、中央の本社と、その拝殿に向かいあって海中に突出している舞殿ぶでん楽房がくぼうなどを綜合して
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「もうそろそろ、舞殿ぶでんの始まる時刻でしょうな」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あああの松、あの舞殿ぶでん
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)