舌長したなが)” の例文
かつて魏の書庫に住んでいささか兵書のはしをかじった鼠官そかんはいが、今日、戦冠をいただいてこの陣前に舌長したながの弁をふるうなど笑止に耐えぬ。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いわせておけば、舌長したながの一言……寄人のぶんざいをもって、小癪千万こしゃくせんばんな……小癪千万な……」
亡霊怪猫屋敷 (新字新仮名) / 橘外男(著)
この間舌長したながさんがうめいことをいッたぜ。今の時代は道楽時代という時代だとヨ。女といちゃつきたい時は西洋風を持ち出すし。権妻ごんさいを置きたい時には昔風を持ちだすし。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
三世十方恒河沙数がうがしやすうの諸仏菩薩に妄執煩悩無きものやある、妄執煩悩無きものやある、何ぞ瞿曇ぐどん舌長したながなる四十余年の託言かごと繰言くりごと、我尊しの冗語じようご漫語まんご、我をばあざむおほすに足らんや、恨みは恨み、あだは讐
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
舌長したながなやつ、そのいきのねをとめてやるッ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「えッ舌長したながな広言ッ」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)