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臍繰
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へそく
ふりがな文庫
“
臍繰
(
へそく
)” の例文
命より大事の手箱と言う以上は、男の手紙とか、
臍繰
(
へそく
)
りとか、独身女相応のものが入っているだろうと思って
訊
(
き
)
くと、それは大違いで
銭形平次捕物控:018 富籤政談
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それが持参金の内であるかどうかわからない、いわゆる
臍繰
(
へそく
)
りというものかもしれないが、ともかくごまかした金には違いないだろう。
七日七夜
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
母が言うので銀子もその気になり、いくらかの手持と母の
臍繰
(
へそく
)
りとを
纏
(
まと
)
めて株を買い、思ってもみなかったこの商売に取りついたのだった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「お蔭さまで、助りますよ」歯の抜けたお婆さんが、
臍繰
(
へそく
)
り
金
(
がね
)
の財布を片手でソッと抑えながら、これに和した。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
やれるなら結構だ、といいたいところだが、まず駄目だろう……貧乏が楽しいなどと言いながら、せっせと
臍繰
(
へそく
)
りを貯めていたことを、おれは知らないわけではない。
我が家の楽園
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
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北洋工船、黒潮漁業の両会社は
彼奴
(
あいつ
)
の
臍繰
(
へそく
)
り
金
(
がね
)
で動いていると云っていい位だ。……その次が現在大阪で
底曳大尽
(
そこひきだいじん
)
と
謳
(
うた
)
われている
荒巻珍蔵
(
あらまきちんぞう
)
……発動機船底曳網の総元締だ。知っているだろう。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そこへゆくとおふくろは涙ぐむだけですからね、涙ぐんで、なけなしの
臍繰
(
へそく
)
りを黙って呉れるんだ、いいもんですよ
おれの女房
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
せっせと
臍繰
(
へそく
)
りを貯めこんでいたので、こんな楽しいことはないなどといっていたのは、月々殖えていく、貯金帳の
額
(
たか
)
のことだったのだと、最近になって、やっと理解した。
我が家の楽園
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
先づ、この五年の間に佐原屋がすつかりいけなくなつたといふ噂は嘘ですよ。佐原屋の商賣は主人が死んでいけなくなつたが、
身上
(
しんしやう
)
はそんなに痛んぢや居ません。尤も番頭の藤六の
臍繰
(
へそく
)
りは溜つてを
銭形平次捕物控:164 幽霊の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
臍
漢検1級
部首:⾁
18画
繰
常用漢字
中学
部首:⽷
19画
“臍繰”で始まる語句
臍繰金