脚長あしなが)” の例文
黒檀こくたんであろう、黒い木で作った脚長あしながの机と腰掛けが置いてあるのだが、引き上げられた三人は、掛ける気もせずに、眼白押しに壁ぎわに立った。机を隔てて白い袋がすわる。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
脚長あしなが香炉台こうろだいのうえに、床間掛とこのまがけの横物が見える。尊氏は紙燭を手に立って顔をよせた。その一、二ぎょうでもすぐわからずにはいられない物である。家祖かそ家時からの鑁阿寺ばんなじ置文おきぶみだった。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)