脈絡みやくらく)” の例文
ガラツ八の八五郎はいきなり飛び込んで來ると、きつかけも脈絡みやくらくもなく、こんなことを言ふのでした。
もし集めた書籍であるとすれば、其処そこに何か全体に通ずる脈絡みやくらくそなへてゐなければならぬ。しかし僕の架上かじやうの書籍は集まつた書籍である証拠しやうこに、すこぶ糅然じうぜん紛然ふんぜんとしてゐる。
蒐書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
白粉おしろいを塗つたの塗らないの、派手な舞臺衣裳を着たの、小汚い不斷着のまゝの、いろ/\の男女が六七人、吹溜りのやうに部屋の隅の、火のない火鉢を圍んで、脈絡みやくらくも系統もないことを
脈絡みやくらくなどと云ふものは薬にしたくもない。
蒐書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)