脂染あぶらじ)” の例文
枕は脂染あぶらじみた木枕で、気味も悪く頭も痛い。私は持合せの手拭を巻いてった。布団は垢で湿々じめじめして、何ともいえない臭がする。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
上の所まんだらにげておる焦茶色の短かい羽織に、八丈まがいの脂染あぶらじみた小袖を着し、一本独鈷いっぽんどっこの小倉の帯に、お釈迦の手のような木刀をきめ込み、ねぎ枯葉かれっぱのようなぱっちに
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
脂染あぶらじみた硝子窓をゆすぶった
横顔 (新字新仮名) / 上田進(著)