肺結核はいけっかく)” の例文
「そうかもしれないよ。また、肺結核はいけっかくにかかれば、たいていなおらないから、そんなはなしつくったのかもしれない。」
草原の夢 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それは一つには姉も弟も肺結核はいけっかくかかっていたためであろう。けれどもまた一つには四畳半の離れの抱えこんだ、飛び石一つ打ってない庭に木賊とくさばかり茂っていたためである。
春の夜 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
母体が肺結核はいけっかくとか慢性腎臓炎まんせいじんぞうえんであるとかで、胎児たいじの成長や分娩ぶんべんやが、母体の生命をおびやかすような場合とか、母体が悪質の遺伝病を持っている場合とかに始めて人工流産をすることが
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
能勢五十雄は、中学を卒業すると間もなく、肺結核はいけっかくかかって、物故した。その追悼式ついとうしきを、中学の図書室で挙げた時、制帽をかぶった能勢の写真の前で悼辞とうじを読んだのは、自分である。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)