老刀自ろうとじ)” の例文
それを億劫おっくうがって躊躇ちゅうちょしていたのを、今日はもはや猶予もせずに、直ちに老刀自ろうとじを呼んで相談して、娘にいいつけて、青木の絵を取り出してかけさせた。
美しき老刀自ろうとじなりし被布ひふ艶に
六百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
老刀自ろうとじが一本の書状をさし出して、これを読んでみるようにとのことである。国許くにもとの妹からの来書である。
鶴見は縁側えんがわをゆっくり歩いて来て、部屋に這入はいりしなに、老刀自ろうとじに向って、だしぬけにこういった。静かに振舞っているかと見れば性急に何かするというようなのが、鶴見の癖である。