“翛然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆうぜん75.0%
しゅくぜん25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あたりが翛然ゆうぜんと、暗くなった。その中に、ただ、ながむし死骸しがいだけが、前よりもいっそう腹のあぶらを、ぎらつかせているのが見える。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
蒼白あおじろ面高おもだかけずせる彼の顔と、無辺際むへんざいに浮き出す薄き雲の翛然ゆうぜんと消えて入る大いなる天上界てんじょうかいの間には、一塵の眼をさえぎるものもない。反吐は地面の上へ吐くものである。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
既ニシテ川叉ニ寓シマタ羽生ニ移ル。翛然しゅくぜん歌ヲ詠ジソノ性ニ自適ス。頃之しばらくにして遠近争ツテ弟子ト為ル。しこうシテ四方来ツテ書画ヲ請フ者マタ陸続トシテ絶エズ。翁麹糵さけたしなミ口ニ瓢杓ひょうしゃくヲ離サズ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)