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翛然
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ゆうぜん
ふりがな文庫
“
翛然
(
ゆうぜん
)” の例文
あたりが
翛然
(
ゆうぜん
)
と、暗くなった。その中に、ただ、
蛇
(
ながむし
)
の
死骸
(
しがい
)
だけが、前よりもいっそう腹の
脂
(
あぶら
)
を、ぎらつかせているのが見える。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
蒼白
(
あおじろ
)
く
面高
(
おもだか
)
に
削
(
けず
)
り
成
(
な
)
せる彼の顔と、
無辺際
(
むへんざい
)
に浮き出す薄き雲の
翛然
(
ゆうぜん
)
と消えて入る大いなる
天上界
(
てんじょうかい
)
の間には、一塵の眼を
遮
(
さえ
)
ぎるものもない。反吐は地面の上へ吐くものである。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
丁度大きな
藍
(
あい
)
の
瓶
(
かめ
)
をさかさまにして、それを下から覗いたような心もちである。しかもその瓶の底には、泡の集ったような雲がどこからか生れて来て、またどこかへ
翛然
(
ゆうぜん
)
と消えてしまう。
首が落ちた話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
翛
部首:⽻
13画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画