だか)” の例文
ちやうどその時には定期市ヤールマルカが立つてゐて、往来といふ往来には目も眩むほど人だかりがしてゐたが、しかしまだ早朝のこととて、何れも地べたに寝はだかつて夢路を辿つてゐた。
 お絹の家の前の人だかりを不審に思って立ち止る。井戸端のお内儀が囁き合った。
恋と十手と巾着切 (新字新仮名) / 山中貞雄(著)