繰込くりこ)” の例文
この危急存亡のときに、天なる哉、めいなる哉、ゆらりゆらりとこの店へ繰込くりこんだものがありました。それは別人ならず、長者町の道庵先生でありました。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
あわてる時はかぬもので、剣術の代稽古をもする位だから、刀を持って出ればいに、慌てゝ居りますから心得のない槍の鞘を払って「賊め」と突き掛る処を、はっと手元へ繰込くりこ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
繰込くりこもうじゃござんせんか、今夜あたり」
(新字新仮名) / 吉川英治(著)