“繚(みだ)” の例文
見上げるような両側の崖(がけ)からは、芒(すすき)と野萩(のはぎ)が列車の窓を撫(な)でるばかりに生(お)い茂って、薊(あざみ)や、姫紫苑(ひめじおん)や、螢草(ほたるぐさ)や、草藤(ベッチ)の花が目さむるばかりに咲き繚(みだ)れている。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
かの筧(かけい)の水のほとりには、もう野菊と紫苑(しおん)とが咲き繚(みだ)れて、穂に出た尾花の下には蟋蟀(こおろぎ)の歌が手にとるようである。私は屈(かが)んで柄杓(ひしゃく)の水を汲み出して、せめてもの思いやりに私の穢い手を洗った。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)