繋縄もやい)” の例文
と是から船に乗ると、百姓が繋縄もやいほどいてさおを揚げて、上手うわての方へ押出し、艪杭ろぐいしめしてだん/\と漕ぎ初めたが、田舎の渡船ぐらい気の永いものは有りません。
流石さすがの仙太郎も驚き慌てゝ船の中へ飛込み、繋縄もやいを解いて是から無闇に船を漕いだが、あとから追掛おっかけて来るような心持で川中へ漕出すが、上潮はじめで楽ゆえ段々漕上こぎのぼって