繋綱もや)” の例文
そして、ふたりが待っている筈の所へ来てみると、そこには、船も繋綱もやってなければ、お綱と弦之丞の姿も一向見あたらない。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
潮来いたこの出島に近い入江の深くに風を避け、真菰まこもの中に繋綱もやっていた醤油船はもう四日もここに泊っていた。
旗岡巡査 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見れば、約束の小舟らしいのが一そうそこに繋綱もやっている。官兵衛は波打際なみうちぎわへ寄って
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)