縁飾ふちかざ)” の例文
空には例の球帽が、みるみるうちに拡がり、そのくっきりと暗い縁飾ふちかざりを、前へぐんぐん押し出していることをしらせ合うのである。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
こう言って、金の縁飾ふちかざりのついている、立派なビロードの垂れさがった玉座に近づいて行きました。
将台のらんまぢかに移されたので、梁中書は白銀の椅子を欄前にまで進め、折から北京七門の楼門上には、大きな日輪が夕雲に落ちかけてきたので、縁飾ふちかざり美しい蓋傘おいがさ
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
僕にはお婆さんの顔が正直という徳で縁飾ふちかざりをされているように見える。
落穂拾い (新字新仮名) / 小山清(著)
火熨臺ひのしだいを子供部屋の爐邊へ運んで來て、私たちを周圍に坐らせ、リード夫人のレースの縁飾ふちかざりを仕上げたり、ナイト・キャップのふちを縮めたりしながら、私たちの熱心な環視くわんしの中に、古いお伽噺とぎばなし