紺合羽こんがっぱ)” の例文
旅商人たびあきんどの男は、小風呂敷の中に包んでいた紺合羽こんがっぱを、ひらっと、つばくろみたいに引っかけると、前かぶりに笠を抑えて
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、頓馬とんまな声を出して、初めてうしろに気がつくと、笠を縁がわへ押ッぽり出し、紺合羽こんがっぱの片袖を撥ねて、きせるのがん首で無断に座敷の煙草盆たばこぼんを引きよせている自称じしょう珍客様。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)