素人家しろうとや)” の例文
かれは、東京とうきょうへきてから、ある素人家しろうとやの二かい間借まがりをしました。そして、昼間ひるま役所やくしょへつとめて、よるは、夜学やがくかよったのであります。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
下宿屋といっても、素人家しろうとやに手入れをして七ほどの客間を造ったのですから、満員となったところで七人以上の客を収容することは出来ない。
白髪鬼 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
せっかく営んだ田端の愛の巣にもすでに破綻はたんが来て、それ以来彼女は寛永寺橋に近い桜木町のある素人家しろうとやの二階に移り住んでいるのだったが、その間庸三との連絡を取り
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
後で庸三はそんな気がして、加世子と話したのであったが、そのころ葉子はすでに良人おっとや子供と別れ田端の家を引き払って、牛込うしごめ素人家しろうとやの二階に間借りすることになっていた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)