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紋切形
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もんきりがた
ふりがな文庫
“
紋切形
(
もんきりがた
)” の例文
何事も語らないで彼の前に
坐
(
すわ
)
っている須永自身も、平生の
紋切形
(
もんきりがた
)
を離れた怪しい一種の人物として彼の眼に映じた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
わたしたち仲間の
紋切形
(
もんきりがた
)
で、仕事をするとその場から、プイと百里や二百里は飛びますからね——お前さんも、たまには江戸へ息抜きにおいでなさいな。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ふたりともに鬼になったとかいう
紋切形
(
もんきりがた
)
の怪談を短く話して、奥の行燈の火を消しに行った。
百物語
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
妻君も、それではと古川医師に診察を頼みますと、どうも、これは容易でない。脚気とはいっても、非常に
質
(
たち
)
が悪い。気を附けねばならんという診断。医者の
紋切形
(
もんきりがた
)
とは思われぬ。
幕末維新懐古談:28 東雲師逝去のこと
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
それとてもたいてい
紋切形
(
もんきりがた
)
の悽文句で、この寺は裕福だと聞いて来たのに、これんばかりの
端金
(
はしたがね
)
では承知ができねえ、もっと隠してあるだろう、
有体
(
ありてい
)
にいってしまわねえと為めにならねえ
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
さりとていつもいつも
十八番
(
じゅうはちばん
)
の
紋切形
(
もんきりがた
)
を繰返せといふにはあらず。
小説作法
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
今取り出して来たという風に、
出来合
(
できあい
)
以上の
旨
(
うま
)
さがあるので、
紋切形
(
もんきりがた
)
とは無論思わないけれども、
幾代
(
いくだい
)
もかかって辞令の練習を積んだ巧みが、その底に
潜
(
ひそ
)
んでいるとしか受取れなかった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
紋
常用漢字
中学
部首:⽷
10画
切
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
形
常用漢字
小2
部首:⼺
7画
“紋切”で始まる語句
紋切型
紋切