紅巾こうきん)” の例文
こういうことのあったのは永禄元年のことであるが、この夜買った紅巾こうきんたたりで、土屋庄三郎の身の上には幾多の波瀾はらん重畳ちょうじょうした。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「かねて君が捕えておいた清風山の紅巾こうきんの賊を、這奴しゃつの前へ突き出しておやんなさい」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうして二人がいるうちに紅巾こうきんの賊乱が起った。それは至正の末年で、天子は元順帝げんじゅんていであったが、杭州の劉万戸が人才であるということを聞いたので、それを用いることにして呼んだ。
断橋奇聞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)