紅唐紙べにとうし)” の例文
殊に紅唐紙べにとうしれんった、ほこり臭い白壁しらかべの上に、束髪そくはつった芸者の写真が、ちゃんとびょうで止めてあるのは、滑稽でもあれば悲惨でもあった。
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それはこわい物でもなんでもないが、それが見えると同時に、小川は全身に水を浴せられたように、ぞっとした。見えたのは紅唐紙べにとうしで、それに「立春大吉」と書いてある。
鼠坂 (新字新仮名) / 森鴎外(著)