簾戸すど)” の例文
日除ひよけの簾戸すどで暗く感ぜられる角座敷かどざしきの入口に足を踏み入れた時、わたしは正面に坐つてゐる青木の父親をチラと見た。
愚かな父 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
お久美の意思が、そう固くきめられたとき、簾戸すどがあいて、庄吉の元気な顔が、茶の間へはいって来た。
あの顔 (新字新仮名) / 林不忘(著)
簾戸すどを開けて迎え入れると、お久良は啓之助を見ながら、意味ありげにくぼを作って
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
駕の簾戸すどから外を見れば、うららかな武蔵野の風物がゆるく、後へ後へと流れてゆく
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、簾戸すどを立てた部屋の内から
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると、さっきの簾戸すどの蔭で
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)