笹紅ささべに)” の例文
厚化粧に笹紅ささべに極彩色ごくさいしきをして、精いっぱいの媚と、踊りで鍛えた若々しい身のこなしを見ると、二十二三より上ではありません。
で、これのみ巫女みこの手を借りぬ、容色きりょう南地なんち第一人。袴の色の緋よりも冴えた、笹紅ささべに口許くちもとに美しく微笑ほほえんだ。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
女の使う笹紅ささべにを、筆に含ませて書いた文字が二十五。平次が見てもなかなかの達筆ですが、不思議なことに、最初の一行が「あなかしこ」と読めるだけ、あとは、どう読んでも意味が通じません。
救いを求める言葉が、笹紅ささべにを含んだ小染の唇からほとばしりました。