竜華寺りゅうげじ)” の例文
旧字:龍華寺
ことによるとそのあとで、「竜華寺りゅうげじもうずるの記」くらいは、惻々そくそくたる哀怨あいえんの辞をつらねて、書いたことがあるかもしれない。
樗牛の事 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
君は医学を専門にして居たが、文芸を好み高山たかやま樗牛ちょぎゅうの崇拝者で、兄弟打連れて駿州すんしゅう竜華寺りゅうげじに樗牛の墓を弔うたりした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
わたくしはかつてそれらの中の一構ひとかまえが、有名な料理屋田川屋の跡だとかいうはなしを聞いたことがあった。『たけくらべ』に描かれている竜華寺りゅうげじという寺。
里の今昔 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
翌日も約束通り一人で三保みほ竜華寺りゅうげじを見物して、京都へ行ってから安井に話す材料をできるだけこしらえた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
未明に鉄舟寺を辞すると、まず竜華寺りゅうげじの日の出の富士ふじあおぎ、三保みほ松原まつばらで海気を吸い、清水駅から汽車で御殿場ごてんばに出て、富士の裾野すそのを山中湖畔こはんまでバスを走らせた。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
米友は竜華寺りゅうげじの方へ足を向けて
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ちょうどそれと反対なのは、竜華寺りゅうげじにある樗牛の墓である。
樗牛の事 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)