立佇たちと)” の例文
裲襠うちかけ、眼も眩ゆく、白く小さき素足痛々しげに荒莚あらむしろを踏みて、真鍮の木履ぼくりに似たる踏絵の一列に近付き来りしが、小さき唇をそと噛みしめて其の前に立佇たちとまり
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
何事やらむと立佇たちとまれば慌しく四隣あたりを見まはし、鮮やかなる和語に声をひそめつゝ、御頼み申上げ度き一儀あり。げて吾が寝泊りする処まで御足労賜はりてむやと、ひたすらに三拝九拝する様なり。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)