窓縁まどぶち)” の例文
窓縁まどぶちを力に両手でおさえつけている家の中の者と、爪尖つまさき立ちをして締木しめぎにかけられている下の者とは、地の利において大変な相違がある。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
逭るゝには飛びおるゝより外に道なし。されどそれも恐ろし。とつおいつする折しも、この挾き間の戸ざしに手を掛くる如き音したれば、覺えず窓縁まどぶちをすべりおちて、石垣づたひに地にちぬ。
そして苦笑をたたえながら、机にのせていたひじを、窓縁まどぶちへ移して、頬杖をかいながら眺め入っていた。
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)