突裂つんざ)” の例文
三度みたび凄まじい掛け声が起こり続いて矢走りと弦返りの音が深夜の沈黙しじま突裂つんざいたがやはり多右衛門の笑い声が同じような調子に聞こえて来た。
日置流系図 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
O、至上な喇叭らつぱの異様にも突裂つんざく叫び
と、怒号悲鳴が起こり、続いて凄じい剣戟けんげきの音が、耳を突裂つんざいて鳴り渡ったが、再び蹄の音がして、さっきの二十騎の紅巾の群が、小路の口から現われ出た時には、十人の捕虜を提げていた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)