空白ブランク)” の例文
睡眠という空白ブランクの時間をこの場合に持ち出すのは人間に対する侮辱である。切実にベルグソンの哲学を読みたいと思ふのもかういふ時である。
頃日雑記 (新字旧仮名) / 北条民雄(著)
会社でも掛替のない調法者になったが、その後に三年の空白ブランクが続く。戦争で引張られたのである。しかし何処へ行って何をしたかは今更書き立てる勇気がない。
合縁奇縁 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
それでも先生の聰明な如才なさのうちに閃くように自身の未来を空白ブランクとして感じとることは苦しかった。
時代と人々 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
それが麗々しく書かれてあるところを見ると、これは当時の人間ではない、こんな一月四日の翌日が一月十五日だ、などという十日間も空白ブランクであったことを知らん後世の者の偽作だということが……
白金神経の少女 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
次の頁は空白ブランクだった。
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
文化史としての新しい頁を空白ブランクにされていたかという、重大な文化上の問題があらわれているのです。
婦人の創造力 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
しかし、このまる三年間には、一ヵ年と四五ヵ月にわたる空白ブランク時代がはさまっている。
全く空白ブランクに等しかった先史の分野に、一夫一婦制以前の社会が単に無規律性交の行われていた原始状態であったのではなくて、その「血統が母系において——母権によって」辿られたこと、その結果