稟賦うまれつき)” の例文
今は歸し參らせじ。おん身は何事にか遭ひ給ひしならん。心を隔て給ふことかは。わが氣輕なる詞つきは、おん身の心を傷つけたらんも計られねど、そは稟賦うまれつきなれば、是非なし。
かくて三年みとせばかり浮世を驀直まっすぐに渡りゆかれければ、勤むるに追付く悪魔は無き道理、殊さら幼少よりそなわっての稟賦うまれつき、雪をまろめて達摩だるまつくり大根をりてうそどりの形を写しゝにさえ、しばしば人を驚かせしに
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)