稚顔おさながお)” の例文
正目まさめに見るのはこれがはじめてだが、話に聞いていた悪性女の感じはどこにもない。少女といってもいいような初々ういういしい稚顔おさながおをしている。手足の形も未熟である。
鈴木主水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
しかるに次の年の春、塚山が芸者をつれて箱根へ遊びに行った時、同じ旅館の隣室りんしつに泊っていた六十あまりの老夫婦が、おたみの稚顔おさながおによく似た少女をつれているのを見て、様子をきくと
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ついこのごろ眉を落したばかりと見え、どこか稚顔おさながおの残ったういういしい女房ぶり。
顎十郎捕物帳:13 遠島船 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)