禿顱はげあたま)” の例文
そのなかには一人の禿顱はげあたまの老人が煙草盆を前にして客のような男と向かい合っているのが見えた。
ある崖上の感情 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
「大事な所を禿顱はげあたまで、花ちやんにケチを付けられて仕舞しまつた、デ、篠田先生、其れからどうなりました、まるで小説の様でげすなア」と、丸井玉吾は煙草たばこに点火しつゝ後をうながす
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
これはよしんば奴の胸中が見え透いてゐたからとて、勢ひことわりかねる人情だらう。今から六年ばかり前の事で、娘が十九の年老猾おやぢは六十ばかりの禿顱はげあたまの事だから、まさかに色気とは想はんわね。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
丸井老人ニユウと禿顱はげあたま突き出しつ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)