神官かんぬし)” の例文
鼻からおとがいまで、馬づらにだぶだぶした、口の長い、顔の大きな、せいは四尺にも足りぬ小さな神官かんぬしでござりましたそうな。ええ、夫人おくさま
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ことに、小田原へ使いに参った娘から聞きますと、それをまた、宮で受け取った神官かんぬしと申すのが、容易なりません風体。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
晃 山沢、何にもない孤児みなしごなんだ。鎮守の八幡はちまんの宮の神官かんぬしの一人娘で、その神官の父親おとっさんも亡くなった。叔父があって、それが今、神官の代理をしている。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
他人でない、扱うてくれたまえ。(神官かんぬしに)貴方あなたも教えの道は御親類。(村長に)村長さんの声名にもお縋り申す。……(力士に)な、天下の力士は侠客きょうかくじゃ、男立おとこだてと見受けました。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かねが光る——光るてえば、鱗てえば、ここな、(と小屋を見て)鐘撞かねつき先生がってしめた、神官かんぬし様の嬢様さあ、お宮の住居すまいにござった時分は、背中に八枚鱗が生えた蛇体だと云っけえな。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この宮の社司で……草履か高足駄のほかは、下駄を穿かないお神官かんぬし
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)