破毀はき)” の例文
現代の精神病院は一つ残らず破毀はきされて、世界中に精神異状者の氾濫が起るかも知れない事実が想像され得るのでありますが、しかし正木先生は
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
さきに、信雄と協定した城塁じょうるい破毀はき、領土の分割のほか、徳川方には、現状以外の変更は追求しない。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこで怒ったのが信長だ、おれが建てたんだからおれがこわす、ひどく合理的に考えて、南蛮寺を破毀はきし信徒をいじめ、日本における第一期の、宗教迫害をオッぱじめたのさ。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
此他に人巧的稀覯書と称す可きものがあるが、それは、自分独りが持っていると思った書物が、未だ他に在る事を知った場合に、それを買取って破毀はきして了うという方法で、実例もある。
愛書癖 (新字新仮名) / 辰野隆(著)
自分ばかりが呆気あっけに取られるだけなら我慢もなるが、社外の人に手数を掛けたり多少の骨折ほねおりをさせたりした事をおかまいなしに破毀はきされてしまっては、中間に立つ社員は板挟いたばさみになって窮してしまう。
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
林道開拓のため、途に当った古墳は、破毀はきされたのである。
梓川の上流 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
原査定ヲ破毀はきス。
科学時潮 (新字新仮名) / 海野十三佐野昌一(著)
足利義昭あしかがよしあきを追放した後、信忠の父信長が、旧館を破毀はきして、新たに造営を加え、入洛じゅらくの折は、ここを宿所としていたこともあるが、いまは恐れ多い御方の御所となっていた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お浦は殺戮さつりく、遺言状は破毀はきじゃ!」
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
五 伊勢尾張、二州にわたる臨時の築城は、双方とも、これを破毀はきする。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)